▼2002年 釼岳(2998m、百名山24座目)立山連峰(3015m、2回目)

第1日 扇沢→室堂→地獄谷→雷鳥平→雷鳥坂→別山乗越→剣山荘

第2日 剣山荘→釼岳→剣山荘→釼御前小舎

第3日 釼御前小舎→別山・北峰(御来光)→真砂岳→立山三山→一ノ越→ミクリガ池温泉→扇沢


第1日

07:30 扇沢発

室堂までは5日間有効の往復切符を購入した。8500円。

まずは7時30分発のトロリーバスで黒部ダムへ向かう。

07:45 黒部ダム着

ここから黒部ダムを横切って黒部湖駅へ向かう。

その前に長い階段を登ってダムの展望台へ向かった。

ダムの放水が行われていた。

ダムの壁が壊れるんじゃないかと思うほど凄かった。

次の黒部湖駅まではここから徒歩10分。

08:30 黒部湖駅発

ここからケーブルカーを使って標高差372mを一気に上る。

ここでは、10kgオーバーの手荷物には手数料が加算される。

改札で検量すると18kg。手荷物料に400円も取られたのは悔しかった。

08:35 黒部平着

08:50 発

次の大観峰まではロープウェイを使う。

目の前には大観峰の駅がよく見えたが、残念なことに立山連峰はガスの中だった。

低気圧の雲がまだ抜けきってないようだ。

構内に室堂のライブ映像が流れていたが、立山連峰は雲の中だった。

09:15 大観峰発

扇沢から900m近く標高をかせいでここ大観峰まで上ってきた。

最後はまたトロリーバスに乗って、標高2450mの室堂へ向かう。

恐れ多い事にちょうど立山連峰の胸のあたりに貫通穴を開けて走っているのがこのトロリーバスだ。

その為、トンネルの途中では立山連峰のひとつ『雄山』のピークの真下を通るのである。

09:25 室堂

扇沢から2時間もかかって室堂へ到着。

雨は降っていないが、ガスのために立山連峰は見れない。

早速、雷鳥平を目指して歩き出した。

この辺りでは登山客よりも室堂平を散策している人の方が多かった。

「ミクリガ池」

立山連峰はガスの中。

「地獄谷をゆく」

硫黄のにおいが凄かった。

10:10 雷鳥平着

10:30 発

写真を撮りながらのんびり雷鳥平まで歩いた。

時間が経ったせいか、高気圧が張り出してきたらしく

嬉しいことに立山にかかっていた雲がとれかかり青空が広がってきた!

「雷鳥坂」

ここから本格的な登りが始まった。

先ほど歩いてきた室堂平が眼下に広がりとても良い眺めだった!

12:00 別山乗越着

12:30 発

長い登りを終え、別山乗越へ到着。

ここは今登ってきた雷鳥平とこれから向かう剣沢方面を結ぶ峠のような場所だ。

既に後方の雷鳥平はガスの下に消えていた。

前方の釼岳も雲がかかっており、恐竜のうろこのような八つ峰の岩峰群が見えるだけだった。

ここで大休止。

梨を食べて栄養補給!おかげでザックの重量も少し減った!

正面の釼岳はあいにくガスの中。

本日宿泊する剣山荘までは釼御前の東のトレイルを進んだ。

右手に釼沢を見下ろしなながら快適な岩場歩き。

明日の釼岳登頂の為の足を残しながら、のんびり歩いた。

13:20 剣山荘着

剣山荘へ到着。

宿泊の手続きをしようと山小屋の引き戸を開けると既に来客を察知していたらしくアルバイトのお姉ちゃんが

お疲れ様でした~

と出迎えてくれた。素泊まりで5700円。ここは沢の水が豊富に出ている。

さっきのお姉ちゃんに部屋を案内された。

8畳間の部屋だ。

夏の繁忙期ともなるとこの部屋に10人以上も押し込められるのだろうけど、今日は平日!

この部屋に宿泊するのは3人だけだったのでとても快適だった!

そして早速、下界から持って上がったビールを飲み干した!うまい!

17:35 日の入り

「くろゆりのコル」より

第2日

04:00 起床

05:07 剣山荘発

05:30 一服釼着

一服釼からはいったん下った。下りきったところが『武蔵のコル』と呼ばれるところらしい。

ここから再び頭上にそびえ立つ前剣を目指す。

前剣の山頂直下に大きな岩石、その名も『大岩』がよく見える。

登山道はあれの左脇を通過するように伸びている。

が、『武蔵のコル』からの登りは道が錯綜しておりどの道をゆけば良いのか迷った!

小さな岩場の間をアミダくじのように色んな道が通っている。

途中、沢を2本くらい横切ってしまい、そのうち道がなくなり高山植物の中の岩場を登りかけたところで異変を確信した。

こんな岩場登りは不自然ではないかと感じて上を眺めたところ、真上に見えていなければいけない『大岩』がそこにはなかった。

7,8分くらい迷走してしまったが素直に引き返した。

ここからは慎重に登った。

常に上をみながら頭上の『大岩』を目標にして道を外さないように進んだ。

06:15 前剣着

06:35 発

標高は2813m。 気温は3.5℃だ。

寒いと感じる気温なのだろうが、厳しい登りに体は汗だくだった。

目の前に釼岳のピークが堂々と立っている。

そこにはごつごつした巨大な岩の塊があり、どこを登っていけばあの山頂へでるのか分からないほどだった。

後ろを振り返ると今登ってきた岩場が絶壁のように切り立っている。

こんなところを登ってきたのかと我ながら感心してしまう。

そして、その先には箱庭のような剣沢のカールが見事に広がっていた。

西の方へ目をやると富山の街がはるか下方に広がっており日本海もよく見えた。

剣山荘を出てからまだ1時間だか、結構疲れていたので大休止。

前剣からの箱庭のような眺め。1時間でここまで登ってきた!

前剣からは本格的な鎖場が続いた。

滑落の危険がある場所を4,5箇所、足場をしっかり確保してかなり慎重に進んだ。

「下り用の鎖場を見下ろす」足が滑ったらただでは済まない。

いよいよ平蔵のコルまで来た。

ここからが釼へのクライマックスだ。

水分を補給して軽く腹ごしらえをして、最後の難所へアタック!!

「釼山頂へのクライマックス」

釼のクライマックスは『カニのタテバイ』と呼ばれる岩壁のぼりだ。

50m程の垂直の岩壁をカニのように這いつくばって登ってゆくのである。

滑落するときっとそのまま谷底へ真ッ逆さま!

怖いもの見たさでちょっと下を覗いてみたが、見なきゃ良かったと思った。

でも鎖がしっかり付いており手がかりも豊富にある。

左手に鎖を持ち、右手は岩の間の切れ込みに引っ掛け

足場を目視でちゃんと見つけてという具合に順調に登って行けた。

だから絶壁という割りに登り易かった。

でも一度、足場のきっかけを失った。これはビビッた。

岩壁で一旦停止して前へ進めなくとかなり焦るものである。

その間、体をずっと支えていなければいけない。

足場を探すのに1分くらいかかったと思うが、かなり精神的に疲れた。

結局、足をかなり頑張って引っぱり上げて足場を確保したんだったと思う。

無事鎖場は乗り切った。

でも、イメージよりもかなり短い鎖場だった。

ガイドブックなんかを読んでいると、これの3倍くらいの長さはあるかに思えていた。

ここから先のルートはロッククライミングもなく緊張も解け、岩場の間の普通の登りが続くだけだった。

「カニのタテバイ」

垂直に切り立った崖に備え付けられた鎖場を這い上がる。

07:50 釼岳登頂!

08:40 発

そして最後の登りを終え念願の釼岳山頂へ登頂!!

標高2998m。あと2mで3000mだ。

ちょうど頭上で手を伸ばしたあたりが標高3000mだろう。

山頂にはさっき一服釼で追い越された若い兄ちゃんが一人いるだけで、とても空いており静かだった。

ちなみにこの兄ちゃんは剣沢のキャンプ場でアルバイトをしており

今日は環境パトロールということで釼まで来たのだと言っていた。

道中もゴミを拾いながら歩いていた。

さて釼岳山頂からは360℃の大パノラマが広がっていた。

南には右から薬師岳、黒部五郎岳、

そして1年前、立山と釼の肩を組んだ姿を眺めた笠ヶ岳も見える。その奥は御岳山だ。

東には後立山連峰。右から五竜岳の尾根をつたって唐松岳、そして白馬三山。

こちらは左から五竜岳、八峰キレット、正面に鹿島槍ヶ岳、冷乗越のきれこみと爺ヶ岳。

「八峰の岩峰群」恐竜のうろこのように見えた。

釼山頂で40分近くのんびりして最高の気分になった。

さて再び剣山荘目指して下山である。

登りが険しかっただけに、下りも油断ならない岩場が続くのである。

まずは『カニのヨコバイ』と呼ばれる鎖場が待ち受けている。

鎖を伝ってカニのようにヨコへチョキチョキと歩いていくのである。

滑落すればパチンコ玉のようにはるか下界へと落ちていってしまう。

カニのヨコバイの姿勢をとるまでの第一歩がなかなか決まらずに、少し怖い思いをしたが、

そのあとはを頼ってトラバースする事自体なんてことはなかった。

このあとも鎖場が続いたが、難しいということは無く慎重にクリアしていった。

平蔵避難小屋の直上にある長いはしごと鎖場。

登り用として使えばカニのタテバイよりも簡単そうだ。

平蔵のコルを越えた岩場からカニのタテバイを眺める。

蟻んこみたいに小さいのが人間。岩の巨大さがよく分かる。


前剣まで無事に戻ってきた。

これが登りの時に目印となった『大岩』

一服剱へ到着。前剣があんなに上に!

ホント、あれが釼山頂かと思ってしまうほど前剣も堂々たる姿をしている。

剣山荘まで最後の下り!

気を抜いたせいかなんでもない岩場で思いっきり滑った。

滑った勢いで自分の横っ腹に肘うちを食らわせてしまった。痛かった・・・

11:00 剣山荘着

12:00 発

無事に釼から帰還!!

達成感で満ち溢れ大満足!そして桃の缶詰がめちゃくちゃ美味かった!!

「剣山荘近くの池塘 」

「五竜岳と鹿島槍ヶ岳 」

釼御前小舎

13:50着

昨日はガスでその全容が見えなかった釼岳と後立山連峰。

この付近にはかなり大きな雪渓も残っている。

「夕日に赤く染まる立山連峰」

明日はあそこを縦走する手前の小屋が釼御前小舎。

「日の入」

第3日

04:40 出発

朝4時前に起床。外へ出てみるとまだ空は暗かったがその分星空が凄かった!

満天の星空とはまさにこのことだ!

05:08 別山登頂

気温は4.3℃。そらもだんだん赤くなり御来光は近い。

ここから5分ほど歩き北峰へ向かいそこで御来光を向かえることにした。

05:34 御来光

「鹿島槍と爺ヶ岳の間の冷乗越からの御来光」

とてもすがすがしい気分だ。でも風がつよくとても寒かった!

「富士山も見事!」

釼もほんのり赤くなり、快晴の一日を祝福してくれているようだ。

「これから向かう立山連峰」

06:45 真砂岳

標高2861m。正面は立山三山の最北峰の『富士ノ折立』。

ちょっときつい登りになりそうだ。

07:35 立山三山・富士ノ折立

右の大きな岩場が富士ノ折立。標高2999m。

08:00 立山三山・主峰・大汝山

「立山連峰の主峰・大汝山(3015m)に立つ!」バックに釼岳!

薬師岳から槍ヶ岳、穂高連峰まで一望!

「針の木岳と黒部ダム 」

08:30 立山三山・雄山

右上に見えるのが雄山最高地点のある祠。3003m。

尚、あそこへ行くのには登拝料500円が必要だった。

ここがその祠。神主さんに旅の安全を祈ってもらった。

とても心が落ち着いて不思議だった。

「雄山山頂より」

室堂平への眺めが素晴らしい!

釼岳へ登頂した時から気になっていた薬師岳。

山容がとても美しい。いつか登りたいなぁ~。

そして、下山開始。

「一ノ越山荘への下り」

かなりの傾斜だ。ここを登りに使うと浮石も多くかなり厳しい!

今回は下りに使って良かった。

徐々に見えなくなるまわりの山並みをじっくり堪能しながらのんびり下りた。

「立山連峰 大パノラマ」


「ミドリガ池と立山連峰」

「ミドリガ池と立山連峰2」

風のふくまま 気のむくまま

登山中の山岳風景と、バイクで旅した日本の風景が楽しめる旅日記。

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