▼2004年 利尻岳(1721m、百名山27座目)礼文島トレッキング8時間コース

第1日 利尻島へ

第2日 利尻岳登山

第3日 利尻島ツーリング→礼文島・桃岩展望台コース

第4日 礼文島8時間コース


第1日

久々の飛行機での旅。フェリーには数多く乗ってきたが、飛行機は3回目だ。

天気図をみるとちょうど稚内付近を低気圧の中心が通過してるのでかなりびびっていたが、

そんなに揺れることもなく無事稚内空港へ着陸。

稚内はあいにくの雨だ。

空港から稚内フェリーターミナルへは連絡バスで移動。

気温は15℃。さすがに半袖では寒かったのですぐにウィンドブレーカを着た。

雨漏りするバスに揺られながら稚内FTへ。

久々の稚内FTだ。

6年前にやはり利尻島へ渡ろうと思ってツーリングで来たときは

台風でフェリーが欠航してしまった。

今日はさすがに大丈夫だろうと思っていたら

なんと、すさまじい数の観光客!

Weekdayというのに観光客であふれていた。

ほとんどが中高年の団体客ばかりで、山行きの服装をしている。

船にのれるかどうか不安になったが定員割れになることなく乗船できた。

しかし当然くつろげる場所は無かった!

2等部屋で足を折り曲げて座っていたが、だんだんつらくなり結局は甲板のイスへ移動した。

雨だったので甲板は結構空いていた。しかし船はけっこう揺れた!


雨で視界のきかないままいつのまにか利尻島へ。

鴛泊港へ入港。

観光客がいっぱい!屋久島・宮之浦港の混雑ぶりを思い出した。

利尻ではYHに泊まることにしていた。

TELをすると港まで迎えに来てくれた。

ここ2,3日はずっと雨だったらしい。明日は快復予報らしいが、すっきり晴れてくれるだろうか。

YHに着くとVTR乗りのライダーと出会った。彼も明日利尻岳へ登るということだった。

このYHでは夕飯は出ないってことなので町まででかけることにした。

途中、コンビニで明日の行動食を買い、そのまま隣の居酒屋へ入った。

刺身の盛合わせにごはんと味噌汁を頼んだ。

なかなか美味しかった!

YHに戻り先ほど出会ったVTR乗りのFさんと再び話をし、

一緒に利尻岳へ登ろうということになった。

第2日

04:13 出発

朝3時半前には起床。外はすでに明るい。パンとコーヒーで軽く朝食をすませた。

昨夜、同じ部屋だったVTR乗りのFさんと、奈良の兄ちゃんと共に出発。

利尻岳は海抜0mから登ることができる貴重な山だ。

鴛泊の登山口までは車で行けば多少、標高もかせげるが、我々はYHから歩いて登ることにした。

ただ空には雲が広がり、利尻岳も見えない。

後ろを振り返ると、雲の切れ目からわずかに礼文島が見えた。

予報では天気は回復傾向。

登頂するころには絶好の展望が楽しめることだろうと期待して歩き出した。

05:05 登山口着

05:13 発

登山口までは車道を歩いたが、宿の送迎バスが次々と我々を追い抜いていった。

昨日フェリーで一緒だったツアー客の人達だろう。

YHから1時間足らずで登山口へ到着。結構登山客で賑わっていた。

先ほどから雨がパラパラと降り出してきたので

皆、カッパを着たり、出発前のトイレを済ませたりしていた。

この人達の長蛇の列に巻き込まれたくなかったので、雨具の準備をして早めに出発した。

しばらくして甘露泉に到着。

利尻岳の湧き水が豊富にあるところだ。ここで1.5L程給水して再出発!

荷物が重くなった!

06:15 5合目着

06:23 発

心配していた登山道の混雑も無く、5合目へ到着。小休止。

しかし天気は快復の兆しがまるでない。

06:40 6合目着

07:00 発

6合目まで登ると結構開けた所へでた。ここで少し長めに休憩。

利尻岳は2回目というVTRのFさんの話だと、

ここから下界の展望が一気に広がったってことだったが今日はガスで視界ゼロ!

本当に天気は快復に向かっているのか???

時折、空が明るくなるが、ガスがどこからともなく、わんさかやって来ているような気がする。

07:57 8合目着

08:08 発

背丈くらいのダケカンバが生い茂る登山道だったので、中腰姿勢が続いて結構厳しかった。

長官山のある8合目に到着。

少し休憩をしたが風が強くすぐに身体が冷えてしまったので

すぐ先にある避難小屋まで行くことにした。

08:20 避難小屋着

08:38 発

濡れたシャツで身体が冷えてきたので、ここで着替えをして休憩をとった。

速乾性シャツといえども、気温が上がらなければ全く乾かない!

着替えを持ってきておいてよかった!

9合目へ向けて出発。天気快復の望みはだんだん薄くなってきた。

水滴混じりの風の中地道に登った。

09:11 9合目発

『9合目・ここからが正念場』の案内板のある9合目に到着。

噂にきいていた通りのガレ場で1歩進んで2歩下がる、

とまではいかないが、足元に気を使う登山道だった。

でも中腰姿勢の登りからは解放され、ようやく登山って感じになって楽しかった。

しかし雨風が強くかなり厳しかった。

「ウコンウツギ」

内側が濃いオレンジ色をしている。

「エゾノハクサンイチゲ(左)とミヤマアヅマギク」か。

「ポタンキンバイ!」

利尻岳にしか咲かない固有種だ。八重咲きの姿がきれい!

「エゾノハクサンイチゲの群落」

ガスが晴れて一瞬青空が広がった!

9合目からはほとんどガレ場の登りだったが、結構、色んな花に気を取られていたので

気が付けば利尻岳山頂直下に来ていた。

しかし、山頂直下はもの凄い強風だった。

山頂からは強風で早々と下山してくる人たちばかりだった。

とにかく登頂しようってことで、VTR乗りのFさんと共に山頂(北峰)まで歩いた。

10:00 利尻岳登頂!

10:23 発

ひとまず登頂だ!しかし凄い風!!

カメラのレンズは一瞬で水滴がつき写真を撮るのもひと苦労!

でも時折、一瞬だけどガスが晴れる時がある。ガスが晴れると雲海が広がっていた!

利尻岳の本当のピークがある南峰(1721m)へは通行禁止。

そしてガスでよく見えなかった。

強風でまともに立っていられない状況だった。しばらく祠のかげに身を隠していたが、

待っていても天気は快復しそうになかったので下山することにした。

残念ながら山頂からの大パノラマは次回におあずけとなり、リベンジが決定した。

11:13 9合目着

12:23 発

9合目まではガレ場の下りとなる。

登りは全く苦にならなかったが、下りとなるとかなり怖い。

浮石で滑って転ばないように慎重に降りた。

この頃になって団体客も増えてきて2,3回だったがすれ違い待ちをした。

9合目へ到着。

わりと開けており、風も弱かったのでここで休憩をとることにした。

長い間動かなかったので身体も冷えてきた。

VTR乗りのFさんがガスとバーナーを持ってきていたのでHコーヒーをご馳走になった。美味い!

「リシリヒナゲシのつぼみ」

切り株の中から顔を出す。これも利尻岳にしかない固有種。是非咲いているところを見たかった!

9合目からは登山道も少し下りやすくなり、

花を見ながら避難小屋を目指した。

「キバナノコマノツメ」か。スミレ科。

葉っぱが馬の蹄に似ており、”駒の爪”なのだそうだ。

「 白くてかわいらしい花」なんて名前だろう?

「エゾツツジの群落」

「チシマフウロ」礼文島はこれが見頃だった!

13:01 避難小屋発

避難小屋へ寄り、ロープにつっておいたシャツを片付けて再び下山。

7合目を過ぎ6合目に近づくと、ガスが一気にきれて晴れ間が広がった!

下界には鴛泊の町が広がり、海上に礼文島が見えた!

天気予報はやはり当たっていたのだ。

しかし山頂方面を振り返るとまだまだ濃いガスに包まれていた。

ともかく下界の景色が見事だったので、30分近く展望を楽しんだ。

16:30 登山口

YHを出発してから、12時間も経ってしまった。

さすがに足がフラフラになってきていた。

ここからあと1時間、その前に温泉へ寄ってさっぱりした。

露天風呂から利尻岳を見上げると、すっかりガスはなくなっており

ようやく利尻岳の山容を拝むことが出来た。すごく綺麗だった!

YHのそばにある小高い丘から夕日を楽しんだ。

さっき登頂を果たした利尻岳も綺麗に見えるし、礼文島へ沈む夕日をみながら幸せな気分にひたった。

第3日

今日は午前中、利尻島をまわって午後から礼文島へ渡る予定だ。

鴛泊港でレンタバイクを借りた。

HONDAのDIO。いまどきのスクーターのエンジンは4ストだ。

これから稚内へ渡り富良野方面へ走るというVTR乗りのFさんとはここでお別れ。

さて今日は朝から晴れて、利尻岳もきれいに見えるので島を走るのが楽しみだ。

「姫沼」

まずは姫沼へ向かった。

観光バスがひっきりになしにやってきて観光客をはきだしていった。

島を時計回りに走った。それにつれて利尻岳の山容も見え方が変わってきた。

山肌がボコボコして万年雪が見えている。

石崎灯台までやってきた。鋭い岩峰がみえる。

「オタトマリ沼と利尻岳」沼浦展望台より。

オタトマリ沼から見る利尻岳が一番荒々しく見えるそうだ。

山頂付近はとてもガレているのがよく分かる。

それにしても手前へ視線を移すにつれて山裾がひろくふところの深さを感じる。

この後オタトマリ沼へいったが残念ながら山頂付近にガスがかかってしまった。

「仙法志御崎公園」

ちょうど姫沼の裏側になる所だ。

オタトマリ沼から見上げたときにかかっていたガスがまだ残っている。

山頂から海までのびる稜線がきれいだ!

「沓形の町の林道」

左の小山はポン山。ここからの景色もまた別の山のように見えた。

「鴛泊港」

港の食堂で利尻ラーメンを食べ、礼文島行きのフェリーへ乗り込んだ。

この日も大混雑!

利尻島を離れるにつれて利尻岳の全容が明らかになってきた。

深田久弥が”利尻島は、そのまま利尻岳であった”とコメントしているようだが

海抜0mから登頂を果たすと、いっそうそう感じる。

こんなきれいな景色、次はいつ見られるんだろう!

そして、礼文島へ到着!

甲板から港をみていると、名物(?)の桃岩荘YHの出迎えがひときわ目立っていた。

ホロ付きのトラックのそばでYHの旗を大きく振る姿は

YHを利用しない自分までも歓迎されてるようだった。

今日の宿は民宿を予約しておいた。

PM2時、下船し桃岩展望台コースへ向かった。

桃岩展望台までは車道を離れて山道を登った。結構、見頃の花が咲いていた。

「レブンシオガマ」

これは島のいたるところで見ることが出来た。

「利尻岳にも咲いていたチシマフウロ」

「桃岩展望台コース」

港から歩くこと40分。桃岩展望台へ到着。そのまま灯台までの1時間コースへ向かった。

「イブキトラノオの群落」

滋賀県の伊吹山に多く咲いている花だ。

礼文島であれば、海抜数10mのところでも見えてしまう。

「ボタンキンバイも咲いていた!」

「ミヤマキンポウゲ」だと思う。とにかく鮮やかな黄色できれい!

「エゾカンゾウ」

見頃は過ぎちゃってたが、絵になる風景だった。

「礼文島の西海岸」元地の港を遠望。

「元地灯台」

展望台からアップダウンのある散策路を約1時間歩き元地灯台へ到着。

ここから先は知床の集落まで30分の下りコースとなる。

ここで折り返して再び桃岩展望台へ戻ることにした。

バスの時刻がうまくあえば、知床から香深の港までバスで戻れたのだが・・・

結局民宿に着いたのは夕方の6時過ぎ。

昨日利尻岳へ登頂したその脚で、今日もここ礼文島で3時間ちかく歩いたので

結構、足腰が言うことをきかなくなってきた。

明日の8時間コースを歩けるのか???

おまけに、登山靴の靴底がパックリ剥離してしまった!

とりあえずガムテープで補強した。

第4日

06:13 香深バス停発

今日は曇りだ。利尻岳も雲の中で見えない。

民宿で早めの朝食を済ませ、近くのバス停からバスに乗った。

途中うとうとしながらも車窓からの風景を楽しみながらスコトン岬へ向かった。

バスの乗客は少なく、島の人も乗っていた。

噂には聞いていたがバスはバス停でなくても止まってくれるようだ。

道端を歩いている島のおばちゃんが手を挙げるとバスは止まっていたし、

そこの家の前でお願いしますというと、バス停でもないのに止まってくれていた。

まさにヒッチハイク状態。

途中、礼文岳登山道の入り口で一人が降り、

残りの観光客はみなスコトン岬でおりた。

07:15 スコトン岬着

07:45 発

「最北限の地スコトン岬」目の前に浮かぶのはトド島。

スコトン岬は風が強く結構寒かった。

Tシャツとウィンドブレーカでは耐えれなかったのでフリースを着込んだ。

最北限の土産屋に寄ったり最北限のトイレに行ったりして30分程経った頃ようやく8時間コースに向けて出発した。

しばらくは花をみたり写真を撮ったりしながらかなりのんびり歩いた。

「タカネナデシコ」

「エゾツツジの群落」

09:05 ゴロタ山着

09:15 発

ゴロタ山まではひと登りあったが、山頂からの眺めは素晴らしかった!

トド島まで遠望!

「チシマフウロの群落」

「レブンシオガマの群落」

10:45 澄海岬近くの神社発

11:00 発

ゴロタ山からの道はゴロタノ浜へ一気に下る。

長~い浜辺をしばらく歩き、鉄府の集落を抜けるとまた登り坂だ。

澄海岬の近くまでくると神社があったので、ここで休憩をとった。

ゴロタ山から1時間半、結構歩いたな~

この後、澄海岬へ立ち寄ったがなかなか見事な景観だった!

観光地化されており観光バスもやってきていた。

澄海岬を出発し車道から再び8時間コースの散策路へ入った。

「エゾコザクラ」か?

葉をよく見ていなかったので区別がつかない

11:30 西上泊 分岐

海岸をはなれ西上泊 分岐までくると景色はがらっとかわった。

天気も急によくなり、ピーカンとなった。結構暑い!

ウィンドブレーカーとフリースを脱いで再出発!

さっき通ってきたゴロタ山と澄海岬が一望できた!見事!

すでに出発してから4時間経過したが、まだ8時間コースの半分も来ていない。

これから挽回できるだろうか??

レブンシオガマが海をバックに綺麗に咲いていた。かなり綺麗だった!!

いつしか樹林の中を歩くようになり強い陽射しも避けれて涼しかった。

途中、笹泊川の沢と思われるところで レブンウスユキソウを見つけた!

ひとくみの夫婦が食い入るように写真を撮っていたので

何かと思って目を向けると、つまり下の写真のような状況だった。

はじめは青い花に目がいった。

これはミヤマオダマキ!今回の旅で初めて見る花なので感動した。

ところが、その隣にレブンウスユキソウだ!

エーデルワイスと同じ仲間で、綿毛の花びらが美しいしちょうど見頃だった!

本当によかった!

14:00 砂走り

これが有名な砂走り。そばに階段もあるがこの砂場を一気に駆け下りると気持ちがよい!

結構面白い!

砂走りの坂道を一気にくだると海抜0mの海辺にでる。

ここから宇遠内の漁港まで写真のようなゴツゴツした岩場の続く海岸線を歩く。

さっきまでの林道とは全然違う景色で、8時間コースは全然飽きがこないのもよかった。

写真はこれでおしまい。

14:40 宇遠内着

14:55 発

宇遠内からはきつい登りが続いた。

8時間コースの最後にむちに打たれるような想いで地道に標高を稼いだ。

15:45 8時間コース終点!着

スコトン岬を出てから8時間、結局コースタイムどおり8時間コースを歩ききった!

なかなか充実した散策路だった。またチャンスがあれば歩きたい所だ。

さて旅はまだまだ終わらない。

ここから香深の町までまだ歩かなければいけないのだ。

さすがにここからの2時間はきつかった!

礼文林道を1時間40分歩きあとは車道を20分ほど下って民宿へ到着したのは18時!

いや~長かった!

しかし楽しい一日だった!

礼文島は歩いてこその島だと思った!

風のふくまま 気のむくまま

登山中の山岳風景と、バイクで旅した日本の風景が楽しめる旅日記。

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